GTA6が出る。たぶん2025年か2026年、ロックスターゲームズがそう言っている。で、周りを見ると「GTAプレステであったよね」とか「GTAって何?」みたいな人間が思ったより多くて、ちょっと待ってくれという気持ちになった。
GTAは30年近く続くシリーズだ。しかも毎回「別のゲーム」として帰ってくる。歴史を知るか知らないかで、6を遊んだときの感動が文字通り変わる。
せっかくだから最初から紹介したい。
GTA1(1997年)── これが全部の始まり
ドットだ。見下ろし視点のドットグラフィックで、街を上から眺めながら車を盗んで、ミッションをこなす。今のGTAしか知らない人が見たら「これ同じゲームか?」と思うはずで、まあ気持ちはわかる。
でも、やってることの狂気は初代から変わっていない。
車を盗む、人を轢く、警察に追われながら逃げる。このオープンワールドで何でもできる自由度の原点は、1997年のドットゲーにすでに全部入っていた。当時は複数の国で販売禁止になった。グラフィックがドットでもそれだけの衝撃があったわけで、一部のマニアはこの頃から熱狂していたのだ。

GTA2(1999年)── 見下ろしのまま、世界観だけ狂う
GTA2は近未来設定だ。なぜそうなったのかは正直よくわからないが、まあロックスターだし、という気持ちにはなる。
基本構造はGTA1と同じ見下ろし2D。ただ「ギャングの勢力争い」が追加されて、どの組織に肩入れするかで展開が変わるようになった。単なる使いっ走りじゃなくなったのはここからで、後のシリーズが持つ「社会の裏で生きる」という感覚の原型がここにある。
パステルカラーとドットが混ざった画面は、今見ると独特の味がある。
GTA III(2001年)── ゲーム史が変わった瞬間
正直に言う。GTA IIIはゲーム史を変えた。
2001年、PS2。シリーズ初の完全3Dオープンワールドだった。見下ろしドットから、突然リアルな街に放り込まれる、自由に歩ける、車を盗める、好きな場所に行ける。「オープンワールド」という概念がまだ珍しかった時代に、これをやった。
舞台はリバティーシティ、ニューヨークがモデルだ。裏切られた主人公クロードが街の裏社会を渡り歩きながら復讐を果たす話で、主人公がほぼ無言なのが特徴。しゃべらないクロードにプレイヤー自身を重ねる設計で、これが妙に没入感を生んでいた。
GTA IIIのリリース後、ゲーム業界は一斉にオープンワールドを作り始めた。それくらいの衝撃だった。一本のゲームが業界の方向を変えることはそうそうないが、これはそれだった。
GTA:Vice City(2002年)── 80年代マイアミに恋をした
GTA IIIの翌年にVice Cityが出た。早い。
舞台は1980年代のマイアミがモデルの「バイスシティ」、主人公はトミー・バーセッティで、麻薬戦争の世界でギャングを成り上がっていく話だ。ナルコスみたいな世界観といえば伝わるだろうか。
このゲームが他と一線を画すのは雰囲気の作り込みで、ネオンが輝く夜の街、パステルカラーのスーツ、80年代ポップスが流れるラジオ、起動するだけで時代ごと移動したような感覚があった。ゲームとしての「雰囲気で勝つ」という戦略が最も成功した作品だと思っている。
「GTAシリーズで一番好きな作品は?」と今でも聞くと、Vice Cityを挙げる人間が一定数いる。ストーリーの人気も高くて、トミーというキャラクターへの愛着がそのまま作品評価に直結している。

GTA:San Andreas(2004年)── スケールがおかしい
2004年発売。San Andreasのスケール感はシリーズ最大で、舞台は3つの都市+農村+砂漠+山岳地帯まで全部入りだ。マップが広すぎて、初プレイ時は全体を把握するのに数時間かかる。
主人公はカール・ジョンソン、通称CJ。ギャングの抗争、家族の死、警察の陰謀、麻薬密売……とにかくストーリーの密度が濃い。しかも途中で筋肉をつけたり太ったりする体型管理の要素まである。何でも入れすぎだろとは思うが、それが魅力なのでしかたない。
シリーズ最長のプレイ時間を誇り、今でも「GTAで一番ボリュームがあった」と言われ続けている。

GTA IV(2008年)── リアルを追求したら、重くなった
GTA IVは路線を大きく変えた。
主人公はニコ・ベリック、東欧からアメリカンドリームを求めてリバティーシティに渡ってきた移民だ。「自由の国アメリカ」の現実を突きつけられながら裏社会で生き延びていく話で、シリーズ中で最もストーリーが重い。笑えるシーンが少ない。
グラフィックはPS3世代に刷新されて、街のリアリティが格段に上がった。物理演算による車の挙動、雨の日の路面の質感、街を歩く人々の生活感。すべてが本物らしくなった代わりに、以前のGTAにあった「バカなことをして笑える」ノリが薄くなった。
評価は高いが、暗すぎるという声も根強い。好みが分かれる一作だ。
GTA V(2013年)── 今なお現役の怪物
2013年発売。累計販売本数2億本超。今も売れ続けている。
これは異常な記録だ。10年以上前のゲームが今でもチャートに入ってくる。GTAオンラインの存在が大きいのは確かだが、それだけではシングルプレイの評価は説明できない。
3人の主人公を切り替えながら進めるストーリーは、シリーズ最高傑作と言う人も多い。マイケル(引退した強盗犯)、トレバー(狂人)、フランクリン(若いギャング)。この3人の掛け合いとそれぞれの人生が絡み合いながら、大がかりな強盗劇に収束していく。
GTA6の前に、一度触れておいたほうがいい。というかGTA Vをまだやっていないなら今すぐやれ、という気持ちすらある。
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で、GTA6はどうなるのか
舞台はバイスシティ(マイアミ)に戻る。シリーズ初の女性主人公が登場する。それ以外はまだほとんどわかっていない。
ただ、過去作の流れを知っていれば想像はできる。GTAは毎回「その時代のアメリカ社会の皮肉」を入れてくる。1作ごとに時代設定や舞台や主人公を変えながら、でもその根底にある「自由と矛盾」への突っ込みは変わらない。Vice Cityが帰ってくるなら、今の2020年代のアメリカをどう刺しにくるのかが楽しみだ。
歴史を知ってから6を遊べば、きっと刺さり方が違う。
今すぐGTA Vを買って、6が来る前に追いついておこう。 それが今日できる一番賢い準備だ。

GTA III・Vice City・San Andreasの3作がリマスターされてまとめて入っている。


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